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薬局開局までの流れ

薬局開局までの流れ

薬局をM&Aで引き継ぐ場合でも、新規開業と同じく「開局までに必要な手続き」が複数あります。保険薬局を運営する以上、通常の事業よりも確認事項や行政手続きが多く、初めて独立を目指す薬剤師の方はイメージしづらいかもしれません。
そこで今回は、一般的な薬局開局までの流れを解説します。

1. 開局準備の全体像をつかむ

薬局開設の準備は『物件の確保』『行政手続き』『設備・人材の準備』の3本柱という点では共通しています。ただし、M&Aの場合は既に薬局として営業していた実体を引き継ぐため、多くの工程を省略でき、開局までの期間が大幅に短縮されます。
また厚生局への保険申請については、M&Aの場合は条件を満たせば遡及申請が可能であるため、新規開設の場合と大きくスケジュールが変わります。

時期 新規開設 M&Aによる開設
3〜4ヶ月前 物件確保・契約 候補薬局の探索
2〜3ヶ月前 内装設計・工事
保健所・厚生局事前相談
1〜2ヶ月前 保健所への薬局開局許可申請
保健所立ち入り検査
開設許可証発行
保健所・厚生局事前相談
保健所への薬局開局許可申請
1ヶ月前 厚生局への保険薬局指定申請 必要に応じて設備更新・スタッフ調整
保健所立ち入り検査
開設許可証発行
開局直前 医療機関コード発行
開局後 厚生局への保険薬局遡及申請
医療機関コード発行

2. 開局に必要な行政手続きとは?

薬局開設には「保健所による薬局開設許可取得」と「厚生局による保険指定」が大きな柱となります。

行政手続きの流れ

事前相談(保健所)

開局予定地の保健所に図面案や設備計画を持参し、必要面積・調剤室の構造・待合室の基準・備えるべき設備などを確認します。行政担当者との事前調整により、後の申請での指摘ややり直しを防ぐことができます。特に調剤室は床面積・動線・衛生管理の基準があるため、特に新規開局の際は早い段階で行うケースも増えています。

薬局開設許可申請(保健所)

開設許可申請では、平面図、調剤設備一覧、薬剤師の勤務表、管理者の履歴書、賃貸借契約書など多くの書類を提出します。M&Aの場合でも、経営主体が変わるため原則として「開設者変更の手続き」または「新規許可申請」のいずれかが必要になります。提出書類の不備は審査遅延につながるため、綿密な準備が欠かせません。

立入り検査(保健所)

申請後、保健所による現地確認が行われます。設備が申請内容どおりに設置されているか、衛生管理体制は整っているか、薬剤師が常駐できる勤務体制が確保されているかなど、細かくチェックされます。指摘事項が出た場合は是正後に再確認が必要となるため、開局日のスケジュールにも大きく影響します。

保険薬局指定申請(厚生局)

保険調剤を行うために薬局が「保険薬局」としての指定を受ける手続きで、施設基準・人員体制・設備などを確認し、指定後に保険請求が可能になります。この指定を受けていないと保険調剤を行うことができません。

3. 設備・人材・運営体制の準備

行政手続きと並行して、薬局としての“中身”を整えていきます。設備、人材、運営体制の3つがポイントとなります。
M&Aの場合だとこの部分が引き継げる項目が多いため、新規開局と比較して業務の工数が大幅に削減可能になります。

設備

・レセプトコンピュータ
・自動分包機
・調剤棚や薬品
・待合室の設備

人材

・薬剤師1名+事務スタッフ1名が一般的。
・M&Aの場合は従業員の引継ぎの有無に左右される。

運営体制

・医療機関への訪問
・地域住民への案内(M&Aの場合は既存の患者様への案内)
・保険請求(レセプト)準備
・在庫管理ルール作成

4.まとめ

薬局の開局には多くの手続きや調整が必要ですが、全体の流れを理解して一つずつ進めていけば必ず開局に至れます。
次回は、会社設立の流れについて解説いたします。